荏柄天神社、杉本寺など由緒ある寺社が立ち並ぶ金沢街道沿いを歩き、衣張山に登る(鎌倉駅~鎌倉駅)|コース no.14

歴史情緒あふれる杉本寺の苔の階段

今回は、鎌倉駅をスタートして鶴岡八幡宮前から金沢街道を進み、荏柄天神社、杉本寺などの由緒ある寺社を巡りながら、衣張山に登るコースをご紹介します。

現在は通行止めとなっている釈迦堂切通しにも立ち寄ります。

【コース概要】

(1) スタート地点とゴール地点

スタート地点:鎌倉駅(JR・江ノ電)、ゴール地点:鎌倉駅(JR・江ノ電)

(2) 順路

① 鎌倉駅・鶴岡八幡宮 ~ ② 宝戒寺 ~ ③ 荏柄天神社 ~ ④ 鎌倉宮・杉本寺 ~ ⑤ 報国寺 ~ ⑥ 衣張山 ~ ⑦ 釈迦堂切通し ~ ⑧ 鎌倉駅

(3) 距離・所要時間

6.5km 2時間30分(観光含む)

【詳細地図を表示したい方は以下をクリック】

グーグルマップ1 鎌倉駅~衣張山入口まで

グーグルマップ2 衣張山登山口~鎌倉駅まで

※グーグルマップでは、衣張山の山道が表示されないため、地図表示を分割しています。

【写真付き案内】

① 鎌倉駅・鶴岡八幡宮

鎌倉駅東口からスタートして、鶴岡八幡宮の鳥居前から金沢街道に入ります。

鶴岡八幡宮前から金沢街道方面を臨む
【鶴岡八幡宮前から金沢街道方面を臨む】

② 宝戒寺

金沢街道を進むと突き当りに宝戒寺が見えてきます。宝戒寺は、鎌倉幕府滅亡後、後醍醐天皇の命により足利尊氏が北条氏の霊を弔うため、北条執権屋敷跡地に建立したといわれています。

宝戒寺・入口
【宝戒寺・入口】

この時期の宝戒寺は萩が満開となります。「萩の寺」とも呼ばれており、この日も、本堂前など境内の至る所で萩が咲き誇っていました。

宝戒寺本堂と満開の萩
【宝戒寺本堂と満開の萩】

③ 荏柄天神社

宝戒寺を後にして、金沢街道をさらに進みます。途中、お土産としても有名な「鎌倉カスター」の鎌倉ニュージャーマンの雪ノ下本店があります。駅前本店よりも落ち着いた雰囲気です。

鎌倉ニュージャーマン雪ノ下本店
【鎌倉ニュージャーマン雪ノ下本店】

街道沿いに、荏柄天神社の鳥居が見えてきました。ここから参道に入ります。

金沢街道に面する荏柄天神社の鳥居
【金沢街道に面する荏柄天神社の鳥居】

参道は思いのほか長く、両脇には民家やレストランなどが建っています。

民家やレストランの並ぶ荏柄天神社の参道
【民家やレストランの並ぶ荏柄天神社の参道】

荏柄天神社の入口に着きました。

荏柄天神社・入口
【荏柄天神社・入口】

本殿です。福岡の太宰府天満宮、京都の北野天満宮とともに三天神社と称されています。菅原道真公が祀られているせいか、「梅」をかたどった意匠がなされています。

荏柄天神社・本殿
【荏柄天神社・本殿】

絵馬には道真公が描かれています。

荏柄天神社・菅原道真の絵馬
【荏柄天神社・菅原道真の絵馬】

筆供養が執り行われるため、絵筆塚が建てられています。

荏柄天神社・絵筆塚
【荏柄天神社・絵筆塚】

④ 鎌倉宮・杉本寺

荏柄天神社前の道路を鎌倉宮方面に向かいます。写真の奥に見えるのが鎌倉宮の鳥居です。

荏柄天神社から鎌倉宮への道路
【荏柄天神社から鎌倉宮への道路】

鎌倉宮は、別名「大塔宮(おおとうのみや)」ともいい、護良親王(もりながしんのう)を祭神としています。

鎌倉宮の鳥居
【鎌倉宮の鳥居】

鎌倉宮前を右に折れ、趣のある二階堂地区を散策します。

鎌倉宮から杉本寺へ向かう二階堂地区の路地
【鎌倉宮から杉本寺へ向かう二階堂地区の路地】

同地区には、二階堂川が流れており、風致地区に指定されています。

住宅地を流れる二階堂川
【住宅地を流れる二階堂川】

再度、金沢街道に出るとすぐに杉本寺に着きます。

杉本寺・参道
【杉本寺・参道】

杉本寺は、行基が開山した鎌倉最古の寺とされており、仁王門、苔の道、茅葺きの本堂など、見どころがたくさんあります。

杉本寺・仁王門
【杉本寺・仁王門】

鎌倉石でできた石段は、すり減りのため通行禁止ですが、苔むした情景は見ているものに落ち着きを感じさせてくれます。

杉本寺の苔の道
【杉本寺の苔の道】

茅葺きの本堂です。本尊として3体の十一面観音立像が安置されています。右手前の石像群は、杉本城の戦いで戦死した斯波家長と一族の供養塔とされています。

茅葺き屋根の杉本寺本堂
【茅葺き屋根の杉本寺本堂】

境内からは、衣張山を臨むことができます。

杉本寺から衣張山を臨む
【杉本寺から衣張山を臨む】

⑤ 報国寺

杉本寺を後にして、金沢街道をさらに進みます。街道脇を流れている川は滑川で、朝比奈峠付近を源流として由比ガ浜・材木座海岸の間で相模湾に注ぎます。鯉やカルガモなどが観察できます。

滑川沿いに金沢街道を報国寺方面へ進む
【滑川沿いに金沢街道を報国寺方面へ進む】

「竹の寺」として有名な報国寺の入口が見えてきました。

報国寺・入口
【報国寺・入口】

本堂です。臨済宗建長寺派の禅寺です。

報国寺・本堂
【報国寺・本堂】

竹林だけでなく、枯山水も見どころの一つです。

報国寺の枯山水庭園
【報国寺の枯山水庭園】

竹林を散策します。

報国寺の竹林
【報国寺の竹林】

竹林の奥にお茶処があります。500円で抹茶をいただくことができます。

竹林の奥に佇む報国寺のお茶処
【竹林の奥に佇む報国寺のお茶処】

せせらぎを渡ります。風情があります。

報国寺の竹林散策
【報国寺の竹林散策】

⑥ 衣張山

報国寺入口から出てすぐのわき道を左に進みます。「田楽辻子(でんがくずし)のみち」と呼ばれる道路で、衣張山入口につながります。

報国寺から衣張山へ通じる田楽辻子のみち
【報国寺から衣張山へ通じる田楽辻子のみち】

上杉朝宗・氏憲邸址碑が見えてきました。ここを左折します。

衣張山への目印となる上杉朝宗・氏憲邸址碑
【衣張山への目印となる上杉朝宗・氏憲邸址碑】

衣張山への入口です。山頂に至る道は、「平成巡礼道」と名付けられています。奥にやぐらが見えます。

平成巡礼道」と名付けられている衣張山への入口
【「平成巡礼道」と名付けられている衣張山への入口】

山中には自然が溢れています。

衣張山登山道には自然が溢れる
【衣張山登山道には自然が溢れる】

道はあまり整備されていません。雨天の後しばらくはぬかるんだ状態が続きますので、服装や靴は汚れても良いものを着用ください。

ぬかるみに要注意
【ぬかるみに要注意】

途中には大きな岩も転がっています。

登山道途中にある大きな岩
【登山道途中にある大きな岩】

道中の登りは意外ときついです。ほどなく山頂が見えてきました。

衣張山頂上が見えてきました
【衣張山頂上が見えてきました】

山頂からは、鎌倉の海や市街地を一望できます。ススキも有名です。衣張山の由来は、源頼朝が夏の暑い日に「この山に白い衣を張らせ」雪の景色に見せかけて涼んだ、という伝承によるとされています。真偽は分かりませんが、鎌倉駅からほど近い場所で、プチ登山を味わうことができる素晴らしい山です。

衣張山頂上からの眺望とススキ
【衣張山頂上からの眺望とススキ】

⑦ 釈迦堂切通し

衣張山を反対方向に下り、大町地区にある登山道入り口に出ました。衣張山の山中は道が細く、道標もほとんどないため、迷わないようにご注意ください。ただ、多くの人が登っていますので、迷った時は道を訪ねてみてください。

大町地区にある衣張山登山道入り口
【大町地区にある衣張山登山道入り口】

道を下っていくと、分岐があります。右に折れると釈迦堂切通しに至ります。

釈迦堂切通りに至る大町地区の路地
【釈迦堂切通りに至る大町地区の路地】

釈迦堂切通しです。現在は落石の危険があるため、通行止めです。手前が民家の敷地のため、遠くから眺めることになります。

通行止めの釈迦堂切通し
【通行止めの釈迦堂切通し】

道を引き返し、大町地区を散策します。逆川という小川が流れていますが、小動物保全がなされており、ホタルやモズクガニなどが生息しています。

大町の逆川小動物保全地区
【大町の逆川小動物保全地区】

住宅の目の前でホタル観賞ができるとは、なんとも贅沢ですね。

ホタル観賞ができる大町地区の逆川
【ホタル観賞ができる大町地区の逆川】

⑧ 鎌倉駅

鎌倉と葉山を結ぶ県道311号線に出ました。鎌倉駅方面(右折)に進みます。

県道311号線を鎌倉駅方面へ
【県道311号線を鎌倉駅方面へ】

311号線は長谷まで続きますが、途中で若宮大路に入り、鎌倉駅に到着しました。お疲れ様でした。

鎌倉駅東口に到着
【鎌倉駅東口に到着】

【推奨コメント】

全長6.5kmのコンパクトなコースですが、鎌倉屈指の名刹や自然の魅力がつまった楽しいコースです。衣張山登山される方は雨天時は避け、汚れても大丈夫な服装や靴をお勧めします。

(記:2017年10月2日)