三浦半島の先端、三崎口(みさきくち)駅をスタートして城ケ島に至るコースをご紹介します。
京浜急行の終着駅である三崎口から、森林・湿地・干潟・海までの自然が一体的に保全されている小網代の森を抜けて、油壷湾、諸磯(もろいそ)湾を経由してマグロで有名な三崎港と観光名所である城ケ島をめぐります。
【コース概要】
(1) スタート地点とゴール地点
スタート地点:三崎口駅(京浜急行)、ゴール地点:城ケ島バス停(京急バス)
(2) 順路
① 三崎口駅 ~ ② 小網代の森 ~ ③ 油壷湾・諸磯湾 ~ ④ 三崎港 ~ ⑤ 城ケ島公園 ~ ⑥ 城ケ島灯台・バス停
(3) 距離・所要時間
12km 4時間(観光含む)
【詳細地図を表示したい方は以下をクリック】
※グーグルマップでは、コース途中の詳細な道順が表示されないため、地図表示を分割しています。
【写真付き案内】
① 三崎口駅
京急三崎口駅です。京急線はここまでしか通っていないため、ここから先へは徒歩かバスでの移動となります。
三崎名物のマグロをアピールした、遊び心ある駅名板が掲げられています。
三崎港を経由して城ケ島方面へ向かうバス乗り場です。
多くの人がバスを待っています。
駅前を通っている国道134号線を城ケ島・三崎方面に向かって歩いていきます。
三浦市は大根やキャベツ、スイカ、メロンなどの農産物も有名です。農地が広がる景色を眺めながら歩いていきます。道路沿いには農産物の直売所も点在しています。
② 小網代の森
国道をしばらく歩くと小網代森への分岐点があります。
小網代の森に至る下り坂を進んで行きます。
入り口には案内板が設置されています。約70haの森の中を通って小網代湾に至る自然を散策することができます。
小網代の森の保全活動に関する案内もあります。神奈川県、三浦市、公益財団法人かながわトラストみどり財団、NPO法人小網代の森野外活動調整会議等による協力で環境保全活動が実施されています。
小網代の森には駐車場がないため、無料のシャトルワゴンが運行されています。散策後、路線バスへ等のアクセスが便利になります。
小網代の森に関する詳細な情報は、こちらをクリック(神奈川県ホームページ)!
いよいよ小網代の森の中に入ります。整備された散策路を進んで行きます。
森の中の谷に沿って流れる「浦の川」の両側に迫る森の中を進んで行きます。
小網代の森では、自生するシダ植物を観察することができます。
湿地帯には様々な水生植物も自生しています。
小網代の森の植生の変化を説明するプレートが設置されています。コナラの森→アスカイノデの谷、ハンノキからジャナヤギの木立、クサヨシ・ヨシの湿地と変化していく様子が観察できます。
森の中を流れる浦の川に沿って、様々な植物や生物の生態系が育まれています。
湿地にはホタルも生息しています。
背の高いヨシが生える湿地の中を抜けて行きます。
カニの干潟への標識が見えてきました。
夏の干潟で見られるカニの求愛ダンスについての説明があります。チゴガニ、コメツキガニ、ヤマトオサガニが観察できます。
写真では分かりずらいですが、多くのカニが干潟に出てきています。すぐそばまで行って観察することができます。
小網代の森には、水から離れても生きることができるアカテガニも生息しています。運が良ければ観察することができます。
敷地内には新しく清潔なトイレも設置されています。
小網代湾へ向かって歩いていきます。
小網代湾に到着しました。
湾のほとりには白髭神社があります。
巨大な二枚貝でできている手水鉢があります。
③ 油壷湾・諸磯湾
小網代湾を後にして、油壷湾を目指して歩いていきます。写真右手に見えるのはシーボニアマリーナというリゾート施設です。
油壷湾へは、標識に沿って進んで行きます。
油壷湾の手前には油壷公園があります。そこには、1962年に起こったヨット遭難の碑があります。レース中に行方不明となった慶応義塾大学の『ミヤ号』(乗組員4人)と早稲田大学の『早風号』(乗組員6人)について説明されています。
また、碑には以下の詩句が刻まれています。
この小網代よりスタートしてわれらは進んだ 永遠のレース 吹きつのる風おしよせる波 最後まで、力を尽くしてたたかった あの水平線のかなたは われらのしとね 海を愛する人々よ。忘れないでくれ 海のきびしさ 海のやさしさ そして、海を愛するこのわれわれを
油壷湾には多くのヨットやボートが係留されています。落ち着いた雰囲気のマリーナです。
さらに標識に沿って進んで、諸磯湾を目指します。
諸磯湾は油壷湾と隣り合った位置にあります。こちらもマリーナが整備されています。
諸磯湾を後にして三崎港を目指します。途中の海外(かいと)町という地区では、道路沿いにスランプ構造の地層を見ることができます。
スランプ構造とは、水底の堆積物が軟らかいうちに、地滑りによってできた地層の変形構造で、ここでは地上に隆起した地層を見ることができます。三浦では城ケ島などでも見ることができます。
さらに進むと「二谷町の漣痕(れんこん)」という地殻変動により隆起した地層がある海岸線に至ります。潮が引いている際には、岩の上に立って周囲を見回してみることをおすすめします。
④ 三崎港
三崎港に到着しました。
三崎港内の公園では、毎週日曜日に朝市が開催されており、魚介類のほか野菜なども販売されます。
三崎漁港の建物では競りの見学や食堂の利用が可能となっています。
三崎名物のマグロを中心とした海の幸を是非、味わってみて下さい。
競りの見学時間は、午前8時~9時30分頃がおすすめだそうです。また、定休日が不定期のため事前に調べてからお出かけください。
三崎港内にある海の駅(フィッシャリーナ・ウォーフ)「うらり」です。海産物や野菜などを販売しています。お土産を購入するのにもってこいの場所です。
三崎名物のマグロを中心としたお土産物が多く並んでいます。
⑤ 城ケ島公園
三崎港から城ケ島を目指して歩きます。
この日と翌日は三崎地区のお祭りでした。夕方からのお祭りに備えた準備が進んでいました。
向ヶ崎町を経て城ケ島大橋へ向かいます。
城ケ島大橋の入り口に着きました。車両は料金がかかりますが、歩行者は無料で通行できます。
城ケ島大橋の長さは575mあります。開放感があります。
城ケ島大橋から宮川湾・房総方面を臨みます。
城ケ島に着きました。「島の娘」像が迎えてくれます。
城ケ島公園を訪ねます。
公園内の展望台からの眺めです。見晴らしの良い日には富士山や房総半島が臨めます。
公園を後にして、城ケ島灯台を目指します。途中にはウミウの生息地があります。
城ケ島南岸に着きました。岩場と磯が続いています。
馬の背洞門(どうもん)と呼ばれる景勝地もあります。
⑥ 城ケ島灯台・バス停
城ケ島灯台を目指して岩場を歩いていきます。
城ケ島灯台公園の入り口に着きました。
城ケ島灯台です。
城ケ島灯台公園からの眺めです。市街地の奥に三崎港が見えます。
灯台公園を後にして、城ケ島バス停に到着しました。ここからバスに乗車して三崎口駅に戻ります。お疲れ様でした。
【推奨コメント】
小網代の森の自然は、森林・湿地・干潟・海まで一体的に保全されているという点で関東地方で唯一の自然環境といわれています。植生の変化を感じながら様々な自然の表情を見ることができます。また、油壷から三崎に至る地層や城ケ島の岩場などを間近で観察することで、自然のスケールの大きさを肌で感じることができます。
お腹が空いたら三崎名物のマグロを堪能する楽しみもあり、三浦の魅力がつまった楽しいコースです。
(記:2018年7月17日)